リカルドオサムウエキさん亡くなる
リカルドウエキオサムさんが亡くなった知らせが突然届いた。三月書房の宍戸恭一さんの紹介で彼を知ってから、ああ、こんな人もあるんだなぁ、と自分の心の一部になった。彼の満州時代にロシアにそして日本に蹂躙された家族の物語『白い炎』が原点となっている。これは田中栄さんにも送って読んでもらったことがある。他にはない優れた小説である。そんなリカルドオサムウエキさんともっと接触したかったし、最後の『花の碑』も読んでおきたかった。残念で力が抜けている。メールをそのまま掲載する。
川添英一様
突然のお便りをお許し下さい。私はブラジルのサンパウロ州アルミニオ市に在住しております菅沼東洋司と申します。同州マウア市在住のリカルド・オサム・ウエキさんとは長年親友としてお付き合いさせて頂いておりました。ウエキさんが貴方のお作りになっておられる「流氷記」を愛読しておられたことは、以前から存じ上げておりました。
まず、用件を申し上げます。
去る十一月五日早暁、ウエキさんが亡くなられました。あまり自覚症状のないまま癌の病状が進行し、発見したときはもう手遅れでした。
ウエキ夫人はブラジル生れの二世の方ですが、日本語の読み書きができないので、それで私が代って貴方へのお知らせを引き受けました。以後、御誌「流氷記」のご送付を見合わせていただきたくお願い申し上げます。
簡単ではありますが、以上用件のみにて失礼させていただきます。
川添様の真摯な生き方に共鳴しつつ一報と致します。
二○○六年十一月十日 菅沼東洋司
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