昨日の折々のうたから
昨日の朝日新聞の朝刊の折々のうたに高安国世先生の歌が採り上げられていた。こういうのは、みんながみていて、案外残らないものである。ここに印字して掲載しておきたい。
折々のうた 大岡 信
わが一生のかかわりのなか孤独なるリルケもおのずからにし古典 高安国世
『新樹』(昭五一)所収。プラハ生まれのオーストリアの詩人リルケは、二十世紀前半、五十代初めで没したが、日本では没後に愛読者が急激にふえた。何人ものいい訳者がいたことも幸いだった。その一人が高安国世。「私が一生かかわってきたあのリルケも、今やおのずと、なるべくして古典的詩人になってしまった」と、詩人との間に結んだ、深い縁を思いつつ詠む。「おのずからにし」の「し」は強調する間投助詞。
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