葉書
勤めから帰ると、塔の松村正直君から自筆の葉書が届いていた。自筆の、と書かなければならないほど、最近は自筆の葉書が少なくなったものだ。塔の十月号に特集される本田さんの追悼文のお礼と僕の流氷記HPから本田さんの写真を使うとのこと。これはそうしてもらってもいいですよ、と原稿に添え書きしていたので、それに応える感じ。こういうきちんとした葉書はやはり嬉しいものだ。思えば塔の1972年11月号に『新刊紹介・河野裕子「森のやうに獣のやうに」』を書いたとき、河野からやはり同じような葉書が届いたものだ。塔で最初に文章で紹介したのが僕だったこともあるのだろうが、彼女はこういう謙虚さもかつてはあったということなのだろう。それにしても膨大な数の田中榮さんの葉書が残っている。今でも田中さんから来そうな感じがある。勤めから帰るとまず見るのがポストの中である。こういう昔からの感覚は無くさないでいたいものである。
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