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2005年10月24日 (月)

塔1、2頁のみ

今日は中間テストの採点があって書けません。昨日チェックを付けておいた歌(1、2頁+三行から)を記しておきます。最初に一言。選者級の人達なのでしょうが、せめて半分くらいはいい歌を載せて欲しいものです。言っておきますが、作者への好き嫌いは全て排除してのチェックです。

野の駅をひとつふたつと産み落とすように夜汽車は灯しつつ行く 永田和宏

助けてくれ助けてくれと啼きながら声しずみゆく日暮れかなかな

雨過ぎし針葉樹林に集い来て都会の雀小さく跳べり  澤辺元一

空色のアサガオの花やさしくて蝉の亡骸の上に重なる

初めのひと粒どこから来たのか秋津島稲田の上を吹き過ぎる風

清だから虚子と名づけし単純さ名の出でたればもっとも適う  池本一郎

海の岩のなだりにとまる鴎らは一方に向く祈るごとくに  花山多佳子

日暮れつつ波しずかなる月浜のほとりに濃きつゆくさの青

いがいがの中にちやぶちやぶ溶けてゆく海胆のかなしも夏の終わりは

わが知らぬ世界が口開けゐたるべし草蜉蝣の群れ飛ぶあたり  栗木京子

報告書全文ゴチックで印刷する若ものとつひに相容れぬまま  真中朋久

どくだみの茂みに雨は溢れおり昨夜妻の言いし卑怯とは何  吉川宏志

みちのくの夏の終りの鎮守府の遺跡を風の吹きわたる見ゆ  小林幸子

蒲の穂のゆるる向こうにしろじろと国府多賀城駅架かりたる    

もう若くないと言いつつ言われつつ入道雲の峰の下ゆく  三井修

庭隅はえのころ草の原となりわれは撫でおり両手をひろげ  古賀泰子

えのころ草ばかりを二つの瓶に挿し何を待つのかわからずに待つ

この家に移りし年と同じほど無花果枝えだにたっぷり実る

「葬儀なし。戒名不要。」書き遺し萩原葉子逝くわれと同年

   以上でした。多いのか少ないのか知りません。この歌はいいのではないのか。なぜチェックしなかったのか、というのがあったらお知らせ下さい。今日はここまで。

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